避妊・月経移動
避妊・月経移動
望まない妊娠は女性の人生設計に大きな影響を与えます。以前はコンドームでの避妊が主なものでしたが、現在では自分自身が望む人生設計やライフスタイルに応じて、低用量ピルやミニピル、ミレーナなどの様々な方法を選択して主体的に避妊をすることができます。月経痛や月経前症候群の症状緩和にも有効です。
試験や試合、旅行や結婚式など、大事なイベントは様々あります。大事なときに月経が重なると、体調不良で十分な力を発揮できず前向きに楽しめなくなることがあります。月経の時期を調整することで、大切な出来事に全力で向き合うことができます。
避妊は、計画的な妊娠を可能にするだけでなく、女性が自分の体を守り健康的な生活を送るための重要な選択肢です。月経痛や過多月経の緩和、それに伴い貧血の改善などの様々なメリットがあります。コンドームは性感染症の予防ができる、とても大事なものです。ただ破れたり外れたりといったトラブルも多い方法です。また女性が主体的に避妊できるわけではありません。自身の体やライフスタイルにあった避妊方法を選ぶお手伝いをします。
いずれの方法も良い避妊法ですが、性感染症の予防効果はありません。コンドームは必ず一緒に使いましょう。
エストロゲンとプロゲステロンの2種のホルモンを配合した薬です。排卵を止めて子宮内膜を菲薄化することで避妊をします。月経開始後から1日1回決まった時間に内服します。休薬期間に月経様の消退出血があります。
正しく服用した場合、ピルの避妊効果は99%以上とされています。
生理痛の軽減、月経量の低下、それに伴う貧血の改善、PMS(月経前症候群)の症状緩和などの効果があります。
子宮内膜症や卵巣がん、子宮体がんのリスク軽減が期待されます。
血液が固まり静脈内に詰まる疾患を静脈血栓塞栓症と言います。ピルを服用していない場合、発症は1万人中1人から3人ですが、低用量ピルを服用することで3人から9人に増加します。水分をしっかり摂取して脱水を避けてこまめに下肢を動かすことで予防します。また下肢の急激な痛みや腫脹、胸の痛みや呼吸困難感、激しい頭痛や目が見えづらい、呂律が回らないなどの静脈血栓塞栓症の症状が出たら速やかに受診し、血栓症の有無を確認します。血栓症があるときには血栓を溶かす治療を速やかに開始します。
ミニピルの内服開始時に嘔気や頭痛、倦怠感が出現することがあります。内服を継続することで改善していくことがほとんどですが、内服を続けることが辛い場合は吐き気止めや頭痛薬を併用することができます。なかなか改善しないときはピルの種類を変更することができます。内服開始1〜3ヶ月程度は少量の不正出血があることがあります。継続することで子宮内膜が安定して不正出血が減ります。
プロゲステロンだけの避妊薬です。2025年から日本でも発売開始となりました。月経初日から1日1錠内服して排卵を抑制し、子宮内膜を菲薄化することで避妊します。エストロゲンを含まないので安全性が高く、血栓症リスクが高くなる35歳以降でも安全に内服できます。
静脈血栓症のリスクを上げないため、35歳以上や肥満、高血圧などの静脈血栓症リスクのある方も安全に内服ができます。
生理痛の軽減、月経量の低下、それに伴う貧血の改善、PMS(月経前症候群)の症状緩和などの効果があります。
2日以上内服を忘れた時には妊娠リスクがあります。1週間は他の避妊法の併用が必要になります。
低用量ピルの内服開始時に嘔気や頭痛、倦怠感が出現することがあります。内服を継続することで改善していくことがほとんどですが、内服を続けることが辛い場合は吐き気止めや頭痛薬を併用することができます。
プロゲステロンを放出する2㎝程度の小さな器具を子宮の中に挿入します。黄体ホルモンが放出されることで挿入中は子宮の内膜が薄くなります。受精卵が子宮内に着床することを防ぐことで避妊します。一度挿入すると5年間有効です。
子宮内に挿入するので毎日の内服が不要です。内服を忘れて避妊効果が低下することがありません。一度挿入すると5年間避妊効果が持続します。
子宮内膜を菲薄化するので月経量が減り月経痛が軽減されます。2割程度の人は出血も無くなります。
内服のような全身の投薬ではないので、低用量ピルが内服できない方も安全に使用できます。
子宮の中に器具を挿入するので痛みがあります。鎮痛剤の併用などで痛みを軽減することができます。
挿入後しばらく不正出血が続くことがあります。挿入後半年程度月経が長くなることがあります。子宮筋腫や子宮腺筋症がある方は、不正出血が長く続くことがあります。
挿入後、自然にミレーナが子宮から脱出していることがあります。早期発見のために定期的に超音波でミレーナを確認します。子宮筋腫や腺筋症がある方は自然滑脱しやすくなります。
ごく稀ですが、子宮内に異物を挿入するので感染を起こして帯下の増加や腹痛をきたすことがあります。感染を認めた場合はミレーナの除去が必要となります。
避妊に失敗したときや避妊をせずに性交渉を行ったときに、妊娠を回避するために緊急的に行う避妊法です。性交渉から72時間以内に内服することで妊娠のリスクを低下させます。作用機序はすべてが明らかになっていませんが、排卵の時期を遅延させ受精卵の着床を防ぐことで避妊します。早期に内服するほど避妊効果が高いため、早めの内服が勧められます。
内服後も妊娠リスクはあります。引き続き避妊は必要です。緊急避妊を繰り返しますと、低用量ピルなどを継続的に使用するより避妊効果が低くなります。あくまでも緊急的な措置と考えて、今後の自身に合った避妊法を選ぶ機会としてください。
月経移動とは、生理(月経)の開始時期を薬によって早めたり遅らせたりする方法です。旅行や結婚式、試験などの大切な予定と重なりそうな場合、月経移動を利用することで快適に過ごせるようサポートします。
月経開始5~7日目から中用量ピルを10日間以上内服します。内服終了後3日程度で月経が来ます。
イベントの最中に内服する必要がありません。
確実性がやや低く、内服終了後に出血が起こらないことがあります。この場合は月経を遅らせる方法を併用することで月経と予定が重なることを防ぎます。
月経の予定時期の5~7日前から中用量ピルや黄体ホルモン剤を内服して希望するタイミングまで継続します。
比較的月経に近い時期からの内服でも月経をずらせます。月経を早める方法より確実性が高いです。
イベントの最中にホルモン剤の内服が必要です。
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