思春期のお悩み
思春期のお悩み
思春期とは、子どもから大人への移行期です。一般的には8歳から18歳ごろとされています。この時期に第二次性徴の発現など、生殖機能が成熟してきます。徐々に中枢から卵巣へ働きかける機能が成熟し、月経周期が確立し、エストロゲンの影響で体型の変化が起こります。身体的、心理的に大きな変化がおこる時期となります。体が大きく成長する時期であり、タンパク質や鉄分などの栄養素もたくさん必要とされます。
この時期は排卵周期が確立せず、月経周期が不安定になります。子宮もまだ小さく、月経困難症で学業や日常生活に支障をきたすことがあります。体型変化を受け入れられず、過度なダイエットや摂食障害につながることがあります。また成長による栄養の必要量の増大と月経による鉄分喪失による貧血が起こりやすい時期でもあります。
一方で、今後の人生のために非常に重要な時期でもあります。社会的には学業を修め、社会性を獲得する時期です。身体的にはこの時期に骨量をしっかり増やし、将来の骨粗しょう症を予防します。思春期後期の月経不順は、将来的にも月経不順に結びつくことがあります。
月経痛がある女性は、ない女性に比較して約2.6倍、子宮内膜症になりやすいともいわれています。月経痛を放置することが将来的な内膜症、ひいては不妊症につながることもあります。月経による鉄分の消失と、成長による鉄分の要求量の乖離は、貧血や情緒の不安定さにつながります。月経のトラブルがあっても「まだ若いから」で放置されやすい時期ですが、むしろ若年から対応することで将来の健康につながります。
月経不順
初潮後は排卵周期が安定しません。一般的に排卵周期が安定するのは18~20歳前後とされています。このため月経が不順になり、なかなヶ月経が来ない希発月経や、逆に短い周期で月経が来る頻発月経、月経がなかなか終わらない過長月経がみられます。排卵周期の不安定さによるもののことが多いですが、頻回の月経や長すぎる月経は貧血を引き起こします。また不安定な月経周期は、学校行事や試験や部活動などに対応しづらくなります。低用量ピルや黄体ホルモンを周期的に投与するホルムストローム療法などで、月経周期のコントロールができます。
原発性無月経
18歳を過ぎても初潮が来ないものを原発性無月経といいます。現在日本人の平均の初潮年齢は12歳ごろとなっています。運動とくにバレエや新体操などの審美系の運動をしていると、初潮は遅れがちになります。一方で重大な病気が隠れていることもあり、専門的な検査が必要になることがあります。中学校を卒業しても初潮が来ない場合は、一度受診をお勧めします。
続発性無月経
3ヶ月以上月経が来ないことを言います。原因はさまざまなものがありますが、過度のストレスや低体重、激しい運動、甲状腺の機能異常や乳汁を分泌するプロラクチンの異常でも月経は止まります。エストロゲンが分泌されている第1度無月経と、エストロゲンが低値の第2度無月経にわけられます。特に第2度無月経は放置すると骨量の低下を招き、将来的に骨粗しょう症を引き起こすことがあります。
月経困難症
排卵後約2週間を経過して妊娠していない場合、不要になった子宮内膜が剥がれていくことが月経です。この時プロスタグランジンという子宮筋を収縮させる物質が出ます。プロスタグランジンのおかげで子宮が収縮して内膜が排出され、内膜が剥がれた面からの出血が止まります。一方で子宮筋が過剰に収縮することで腹痛や腰痛が起こり、下痢や嘔吐、頭痛が起こります。とくに若年女性は子宮がまだ小さく子宮口も狭いため月経痛が起こりやすいとされています。月経困難症のために学校やアルバイトを休んだり友人との約束をキャンセルしたりする必要があるというのは、非常に重大な機会損失ではないかと考えます。漢方薬や低用量ピル、黄体ホルモンのみのディナゲストなど様々な薬が使用できます。一度ご相談ください。
ニキビ・肌荒れ
月経が始まるとホルモンの状態が変化し、女性でも少量分泌されている男性ホルモンの影響でニキビができやすくなることがあります。皮膚科での治療も有効ですが、漢方薬や低用量ピルがニキビを改善することがあります。ニキビのみの場合は自費診療となります。
若い方ほど婦人科受診に抵抗があるのは当然です。当院では、患者さんのプライバシーと心情を最大限に尊重し、不安なく診療を受けていただけるよう配慮しています。
診察は、まず患者さん本人からのお話をじっくり聞くことから始まります。月経の状態、痛み、生活習慣(ダイエット、運動、ストレス)、学校生活、友人関係、性のことなど、デリケートな内容も含めて丁寧に問診を行います。必要に応じて、患者さんご本人のみから問診を行うこともあります。
問診をしたうえで、性交経験のない方の場合、お腹から超音波をあてる経腹超音波や採血で対応できるときは、極力内診をせずに対応しております。
避妊方法や性感染症(STD)に関する正しい知識の提供、緊急避妊薬(アフターピル)の処方、そして子宮頸がんを予防するためのHPVワクチンの接種(定期接種対象年齢の確認と実施)など、健康で安全な成長を支えるための情報提供と医療サービスを行います。
思春期は、月経や性のことなどがなかなか言い出しづらく、またご家族も質問しづらいかと存じます。またお母さん世代は院長と同世代かと存じます。私たちが思春期だったころは、月経痛は我慢するものだったし、月経がイベントに当たらないようにお祈りするものでした。
時代は変わり、月経も月経痛もコントロールでき、むしろ月経痛をコントロールすることが将来的な健康につながることが分かっています。子宮頸がんは予防できる病気になりました。痛みや不都合があって当然ではなく、もしかしたらもっと快適に過ごせるかもしれません。一度ご相談ください。
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