月経に関するお悩み
月経に関するお悩み
月経の時に腹痛や頭痛があること、月経前はイライラしたり気分が落ち込んだりすること、月経が不順なのは仕方のないことだと思っていませんか?多くの女性が月経に関してさまざまな症状に悩みながらも、体質だからと見過ごしてしまっているのが現状です。
月経に関する悩みは、月経不順、月経前の体調不良や気分の変動、月経時の腹痛や腰痛、月経量が多く毎回のように下着や寝具を汚すなど多岐にわたります。こうした症状には卵巣や子宮の病気が隠れていることもあります。月経の仕組みを知り、現在のご自身の体の状態を把握することで、月経にまつわるトラブルが解消できることがあります。お困りであれば、必ず婦人科にご相談ください。
月経が始まると、卵巣の中では卵胞と言われる卵子の入った袋が大きくなり始めます。10日から21日程度で卵胞は2㎝前後まで大きくなります。大きくなると卵巣から卵子が排卵されます。排卵して精子と出合うと受精し、受精卵として子宮内に移動して着床すると妊娠します。子宮の内側は子宮内膜と呼ばれるやわらかな組織で覆われています。この子宮内膜は、妊娠の準備として月経後から厚くなり、妊娠すると赤ちゃんの胎盤や赤ちゃんを包む膜になっていきます。妊娠が成立しなかった場合は、厚くなった子宮内膜は不要となります。排卵から約2週間後にはがれ落ち、血液と一緒に体外へ排出されます。この出血が月経(生理)です。
つまり、月経とは、「卵胞の発育→排卵→不要となった内膜の排出」といった流れで起こるサイクルの一部です。正常な月経周期(月経初日から次の月経までの日数)は25〜38日間で、月経期間は3〜7日間、月経量は20~140mlと言われています。
正常な月経は25~38日周期となりますが、毎月まったく同じ日数で来るわけではありません。排卵の時期がずれることがありますので、20~30代の方であれば6日程度ずれることがあります。きちんと排卵が起こっていれば、大きな問題はありません。21日以内で月経が来る頻発月経、39日以上月経が来ない希発月経、3ヶ月以上月経が来ないものを続発性無月経と言います。
月経不順には様々な原因があります。18歳未満の方の場合、卵巣機能の未熟性によるもののことがあります。40歳以上の方の場合は卵巣機能の低下によるもののことがあります。この場合は生活に支障が起きないように、月経の時期をコントロールします。排卵は中枢から卵巣が刺激されることで起こりますが、その刺激がきちんとできずに月経が不順になる中枢性のものがあります。甲状腺機能の異常や乳汁を分泌するプロラクチンの異常で月経が止まることがあります。卵巣から排卵しづらくなる多嚢胞性卵巣症候群など、様々な原因があります。
超音波で子宮や卵巣の状態、排卵の有無や子宮内膜の状態を確認します。採血に適した時期であれば採血をして上記の病気の有無を確認して原因を診断します。
甲状腺やプロラクチンの異常がある場合は、そちらの治療を優先します。中枢性の無月経や多嚢胞性卵巣症候群の場合は、周期的なプロゲステロンの投与を行うホルムストローム療法や、周期的なプロゲステロンやエストロゲンの投与を行うカウフマン療法を行います。月経痛や避妊の希望があるときは低用量ピルを使用します。妊娠の希望があるときは、排卵誘発をして妊娠につながる治療をします。
月経期間中に月経に随伴して起こる症状です。下腹部痛や腰痛、嘔気、嘔吐、下痢や頭痛といった症状が起こります。原因には器質的な病気がある器質性月経困難症と、特に病気がない機能性月経困難症があります。前者の原因には子宮内膜症や子宮腺筋症、子宮筋腫などがあります。いずれもエストロゲンで増悪する病気なので、放置することで症状の増悪や不妊症の原因となることがあります。
機能性月経困難症の原因は子宮内膜からプロスタグランジンという子宮の筋肉を収縮させる物質が、過度に子宮筋を収縮させるためとされています。病気がないならと放置されがちですが、機能性月経困難症のある方は、無い方に比べて約2.6倍、子宮内膜症を発症しやすいと言われています。また過度の痛みは生活の質を落とします。前向きに対応することで、負担の少ない生活を送れます。
超音波で子宮や卵巣の状態を確認します。必要に応じてMRIでの検査が必要になります。
機能性の月経困難症に対しては、生活指導や漢方薬の投与を行います。また排卵や内膜の肥厚を抑制する低用量ピルやディナゲストを投与します。子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜症に関しては、それぞれの病気の治療に準じて行います。
PMSは、月経開始7~10日前から始まる精神的、身体的症状で、イライラ感や気分の落ち込み、胸の張りや腹部膨満感などの症状がでます。月経開始とともに消失または減衰し、月経4日目程度で消失します。原因ははっきりと特定はされていませんが、排卵後に分泌されるプロゲステロンが原因の一つと言われています。器質的な病気ではないですが、日常生活の質や人間関係に大きな影響を与えます。
漢方薬や生活習慣の改善を行います。月経困難症や過多月経がある場合は、低用量ピルやディナゲストを用いて排卵を抑制し、プロゲステロンの変動を抑えることで症状を緩和します。
月経量が多いものを過多月経と言います。過多月経の定義は難しいですが、日中でも1~2時間でナプキンから経血が漏れる、レバーのような塊が500円玉大以上のサイズで複数個排出される場合は過多月経の可能性が高いです。また貧血を認める場合、過多月経の可能性があります。過長月経は8日以上月経が続く場合を指します。
子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜ポリープのような子宮内膜の面積を増大させるような病気や、排卵はしていないが月経様の出血を認める無排卵周期症や、血を止める凝固機能の異常があることがあります。また放置することで貧血となり倦怠感や息切れ、気分の落ち込みやイライラ感が出現することがあります。また出血が多いこと自体が下着や寝具を汚さないか気にすることとなり、生活の質を落とします。
超音波で子宮や卵巣の状態を確認し、症状を引き起こすような器質的な異常がないかを確認します。また貧血がないか、採血を行います。器質的な異常がないにも関わらず貧血があるような過多月経の場合、凝固機能異常がある場合があります。専門的な検査が必要ですので、血液内科へご紹介いたします。
器質的な異常があればその病気に準じて治療します。特に器質的な異常が指摘できない場合、低用量ピルやディナゲストで出血量を減らします。
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